アメリカ政府からの公的支援を受けるために、クライスラーは、
フィアットとの提携、債権の削減、人件費削減が急務でしたが、
どうやら折り合いがつかないようです。
労働組合の力が強く、退職者の年金や医療にも多大な負担が
のしかかるアメリカ自動車業界にあっては、いくら事業が窮地に
立たされていても、既得権益を手放す、と言う決断は
できないようですね。
過去のしがらみが肥大化した組織体を蘇生するには、
自力では無理で、倒れてからの緊急手術しか方法がないようです。
当初から破綻は視野に入っていたもので、今回の破産第一号が
実現しつつある現状は予想できたものの、実際に起きた場合の
波及効果たるや、未知数ですので、これからが金融危機の
第2幕が開始なのか、と考えられます。
組織として過去のしがらみが断てない状況はGMも全く同様で、
歴史的は惨劇の第2段はそう遠からぬ将来に訪れることも
想定されます。
金融危機は、まだ終わっていない・・・。
クライスラー、暗い再建前途 「週明けにも破産」報道
4月25日7時56分配信 産経新聞
■フィアット・銀行・労組、利害対立
【ワシントン=渡辺浩生】経営危機で米政府から30日までに抜本再建策の合意を求められている米自動車大手のクライスラーが、破産処理に追い込まれる可能性が強まってきた。23日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルとニューヨーク・タイムズの電子版は、同社と財務省が、週明けにも連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請する方向で準備していると報じた。
≪事前調整型で≫
米政府は、公的支援の条件として、(1)伊フィアットとの資本・業務提携合意(2)債権の大幅カット(3)人件費の大幅削減−の3つを要求。しかし、フィアットと銀行などの債権者、全米自動車労働組合(UAW)がそれぞれ譲らず、“三すくみ状態”となり、再建策合意が極めて困難になっている。このため、再建の枠組みを整えた上で破産法を申請する事前調整型の処理を探っているもようだ。
クライスラーは報道に対して「支援を受ける努力を月末まで続ける」とのコメントを発表。政府当局者は米メディアに「成立するまではあらゆることが憶測にすぎない」と述べた。
≪状況は厳しく≫
関係者は、カウントダウンに入った期限までギリギリの交渉を続ける構えだが、状況は厳しい。
ニューヨーク・タイムズなどによると、財務省はUAWとの間で、破産法の適用申請をした場合でも、組合員の年金と退職者向け医療保険が保護されることで原則合意。フィアットも、クライスラーが破産法の保護下に入ったと同時に出資を行うとしており、破産処理へと事態は動いている。
再建策の合意が困難になっているのは、“三者三様”の思惑が複雑にからんでいるためだ。
フィアットのマルキオンネ最高経営責任者(CEO)は「UAWが譲歩しなければ交渉から手を引く」などとし、提携には労組と債権者の譲歩が不可欠と牽制(けんせい)を続けてきた。
これに対し、最も強硬なのが、銀行など債権者グループだ。85%の債権カットを求める政府案を拒否。カット率を35%に引き下げたうえでクライスラー株40%の譲渡を要求。政府は22日にカット率を78%にする妥協案を示したが、合意には至っていないもようだ。
「一定の担保を確保しており、大幅な債権カットよりも破産処理の方が、損失は少ない」(市場関係者)ことが、債権者の強気の理由とされる。
一方、労組側は、経営側に対して歩み寄りの姿勢を見せているものの、債権者の負担が小さいことに強く反発したままだ。
≪チキンレース≫
交渉は、3者が意地を張り合い、がけに向かって突っ込む、“チキンレース”の様相を呈している。
フィアットはゼネラル・モーターズ(GM)の独子会社オペルを買収する交渉にも着手。クライスラーからの“乗り換え”とも受け取れる動きもみせている。最も強硬な債権者の合意を得られないと、事前調整型の破産処理どころか、会社清算という最悪のシナリオの可能性も否定できない。
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